当社でも、いよいよ試作の開始です。
エンジン部品には、いろいろな材質があるため、
それぞれ専門屋にお願いして粗材を作ってもらいました。

しかし、どの会社も初めての仕事で、
良い物は出来るはずもなく、試行錯誤の連続になったのです。
  
その3へ続く
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シリンダーブロック(鋳物)では、内部に”巣(異物が固まって内部に残った物)”が有り、
加工(切削)した先から不良品!

最善の粗材を求めて、粗材を変えては削るの繰り返しでした。
(おそらく、鋳造品に関してはほぼ全ての部品が同じような状態だったでしょう。)

ミッション・ギヤーでは、粗材(鉄系粗材)そのままでは柔らかすぎる為、焼き入れという行程を行いますが、焼きがあまい(あまり固くない状態)と、ギヤーが変形して入らなかったり、抜けなくなってしまいます。
では、固ければ良いかと言うと、今度はもろくなり、ギヤーの歯が欠けてしまい、酷い時には無くなりました。
焼き入れの調整にとても難航しました。

クラッチは、当時も製造しているメーカーがあまり無かった為、
メーカーまで出向き、「2個でも3個でも良いからから売ってくれ」と直接交渉し、なんとか手に入れたは良いが調整がうまく行かず、
クラッチが繋がらない・切れないと、とても苦労しました。

等々、話が舞い込んできてから約二年ほど試行錯誤が続き、
やっと試作車が完成したのです!
●(有)ヤマト商会と増田鐵工所 2